非行

非行、とくに少年の凶悪犯罪は減少しています。

わが国の非行、とくに凶悪な少年犯罪は増えていません。意外に思うかもしれませんが、むしろ減っているのです。
警視庁のさまざまなデータをお示ししましょう。


図は少年の刑法犯の人口比の推移を示すものです。これだけを見ると、あたかも、少年刑法犯が増えたかのようですが・・・、細かく見ていくと決してそうとは言えないのです。

この中から、殺人、強盗、傷害、放火の4大凶悪刑法犯に限ると、次のような図になります。

では、増えているのは何でしょうか?それは横領ですが、そのほとんどは、自転車の寸借で生じる専有離脱物横領罪がそのほとんどを占めます。

薬物もシンナーなどの特別法違反も激減していて少年犯罪そのものは、全体として、非常に少なくなってきているのです。

一部の教育の論調で、規範意識が謳われますが、21世紀以降、自殺も10代は増えていません、自殺や殺人などは30歳代から60歳代です。万引きが増えているのは60歳以上の高齢者です。

わが国の少年の方を犯さないという意味での規範意識は、それ以前の大人たちよりもずっと高いのです。

【参考】それ以外の統計は以下の通りです。

非行問題と感情コントロールの問題

本来の意味で、「感情をコントロールふわふわり8する」とは、感情によって自分の中に何らかの要求があることを感じつつ、その感情を社会に通用する方法に変換しながら、その要求を適切に果たしていけるように調節することです。

自分が感じるままに振る舞えば、要求をうまく通すことはできません。反対に、感情を無視して、他者に合わせ過ぎると、要求が満たされないので、ストレスは溜まっていきます。その中間で折り合うこと、状況や他者と妥協をすることが、結果としては、一番賢明です。
総じて我慢強くない子どもは、自分の要求へのブレーキがかけにくくなっています。我慢強ければよいということはないのですが、我慢強くない場合は、感情を抑制する傾向も低いものです。この中で、感情のコントロールが問題となるのは、不安や緊張が高いために、情緒が安定せず、その上、わがままで言うことをきかない場合があります。

人と関わるのが好きで社会性が高く、感情面は安定していて、単なる「わがまま」だけというタイプの子どもは、総じて保護者に大切にされ、温かく関わってもらえてきています。そのため、行動面で常識的な説得と、小刻みに課題を与えた上で、できたことや、我慢したことを褒めることと、行動面でのわがままについては抑制し、ときには厳しく接して良いのです。

しかし、人好きで、社会性があっても、情緒不安定なタイプ子どもの場合は、人との関係の中でもまれた体験も多いのですが、それにも関らず、情緒不安定になりやすいのです。この場合、生活環境の中で、不快な感情を示したときに、周囲が本人の要求を事前に察知し、要求を満たそうとされてきた場合が少なくありません。「泣かないでね。お願いだから」「怒らないでね、お願いだから」と扱われてきたのです。

このような場合、不快な感情を表現しないうちに、自分の要求が通ってしまいます。そのために、破格にわがままになります。それだけではなく、不快な感情を表現し、それを受け止めてもらえることが巧妙に避けられてきたので、不安や緊張の表現はできていません。そのために、人と付き合っているわりに、不安や緊張が高く、その不安や緊張を感じないようにしていることも多いのです。

巧妙に扱われてきているので、人の顔色を見るのが上手で、巧妙に周囲を振り回すことには長けています。そのために、いじめ問題で加害者として関わることも少なくありません。不快な感情を耐え難く感じ、それを感じないようにしているので、妙に元気に振る舞ったり、楽観的に見えて、周囲を振り回したりするようになります。ときに、被害者を装って事件を起こすことや、リストカットや性的な逸脱行動、いじめの加害者や非行の問題を呈する場合もあります。

多くの場合、わがままに思われがちで、学校では厳しく指導される場合が多くあります。もちろん、情緒不安定タイプでも、本人の要求を通す必要はまったくありません。行動面での規制は必要です。「ダメはダメ」なのです。

しかし、厳しい指導は、不安や緊張を高めるので、情緒の安定には逆効果です。逸脱行動はダメだとする一方で、感情面での不快感を受け止める関わりが必要になります。その中で、不快な感情を社会的に通用する表現に変化させる関わりが、情緒不安定さの解決に必要なのです。

一方、人付き合いは苦手で、我慢強くないタイプで、情緒が安定せず、情動コントロールの問題がある場合は、幼い年齢段階から、被虐待の問題や、両親の別居、離婚や、保護者の養育困難などの問題があり、適切な養育の機会を得てきていない場合が少なくなくありません。この場合では、子どもとしてのケアを十分に受けてきていないのです。そのために、不快な感情を、我慢する体験も少なく、深刻な場合では、快適な感情ですら、じっくりと味わうことができない場合すらあります。

快適であれ、不快であれ、特定の感情の状態に留まっていられることを、「情動耐性」と呼びます。不快な感情は当然のこと、褒め言葉で起きる快適な感情でさえも、「情動耐性」に乏しいと、じっくりとそれを味わうことができないのです。そのため、褒め言葉を褒め言葉として受け取ることができません。この場合では、人に対する安心感も得られていないのです。そのため、子どもは、強い不安と緊張に苛まれています。それにも関らず、それが理解されることが少ないのです。

人に対する安心感も希薄ですので、人との関わりを避けがちで、感情も的確に表情に現れにくいところがあります。人との関わり方も稚拙で、自分の感情すら明確に感知できないので、他者の感情を推察することもできにくくなることもあります。そのため、仲間に関わろうとすると、悪意がないのに、仲間とのトラブルに発展しやすいのです。

もちろん、「ダメなものはダメ」でよいのですが、それ以上に、何も問題がないときに、この子どもの情感を育てること、一定の感情を味わいそこにとどまっていられるようになることを体験させることが重要になります。

子どもの表情を捉えて、「何か嫌な感じがするかな」「なんだか心配な感じがするかな」「寂しいのかな」「悔しかったねー」「イライラするのかな?」など、感情を代弁して言葉で表現する関わりが、何よりも重要になります。不快であろうが快適であろうが、それを感じていてよいという風情で関わります。「だったら、○○をしなくても良い」などと言う必要はありません。行動を許容する必要はないのです。しかし、感情を受け止め、受け入れます。

このタイプでは、丁寧にひとつの情感を共有する体験を重ねていく必要があります。感情面では、歴年齢よりもかなり幼い者として考え、幼児と付き合うつもりで、腰を据えねばならなりません。なぜなら、感情面のコントロールを育むプロセスで、わずかでも、対人的な安心感が育ってくると、それを育ててくれた相手にべったりとしがみつくようになるからです。その意味で、このタイプで、感情のコントロール面を向上させるのは、低年齢であるほど良いのです。問題の解決のプロセスで、子どもにしがみつかれたときに、関わる者がそれに付き合っていられなくなると、結果として、振り払いがちだからです。

感情のコントロールを育むプロセスの途中で、子どもを振り払ってしまうと、その後は、人を求めて止まない傾向が強まります。したがって、このタイプの子どもに、感情のコントロールができるようにさせていくには、年単位での時間が関わる者には必要になることと、この関わりを継続し、しがみつかれても迂闊には振り払わないとの強い意志と、覚悟が求められるのです。

問題行動(暴言、暴力)怠学傾向が強い中学生に対しての指導方法

問題行動(異装・暴言・暴力など) 登校時も、授業にあまり参加しない中学生に対して
第一段階 なぜ問題行動を起こすのかに注目しましょう。(原因の把握)

意味もなく問題行動を起こす生徒はいません。その行動には意味があることを理解する必要があります。たとえば、それが「自分を気にかけてほしい」というサインであったり、その行為をしなければ、その集団にいられなくなってしまうなどです。

そのための手段として

①本人を取り巻く環境を調べる(家庭環境・友達関係)

②本人から話を聞いてみる

③保護者から話を聞いてみる

④周りの友人から話を聞いてみる必要があります。

第二段階 なにが悪くて何が悪くないかを明確にしましょう。(問題の分離)

問題行動をする生徒は時に反抗的に見えますので、厳しく指導をしてしまうことが多くあります。その時に必要なことは、問題点を明確化することです。中学生にもなると自我が確立し一人の大人としての自覚もでてきます。その折、人格を否定する言葉を浴びせてしまうと、問題行動はエスカレートしていきます。

そうならないための手段として ①何が問題行動なのかを明確にする。②①の根拠をしめす。 ことが必要です。

第三段階 問題行動を正さない場合 どのような不利益があるのかを伝えましょう。(処分の明示)

問題行動を続けた場合、その結果どうなるのか?を明確に伝える必要があります。そして、その処分に関しては決して妥協することをせず、もし問題行動を繰り返し行う場合は処分を実行する必要があります。

その際の注意事項として、教師間はもちろん保護者との連携も大切ですので、事前に関係者会議を開く必要があります。

第四段階 問題行動が正された場合のフォロー(認めること)

問題行動を正した際には、それを全力でほめることが必要です。第一段階でも書きましたが、問題行動の裏側には「自分を認めてほしい 自分の居場所がほしい」という欲求が隠れていることが多くあります。

とくに、問題行動を正した時ほど、その生徒は不安定です。その時には、かかわった人が「自分の存在を認めてくれた」とか「問題行動を起こさないと居場所が確保できる」という感覚を味あわせる必要があります。

問題行動ではない行動についても、本人の過去の姿に比べて、少しでも望ましい方向への行動が見られたときには、それをほめます。たとえば、授業中、教科書も出さず、ずっとうつ伏せていた子どもがいたとします。その子どもが、教科書を机の上に出すことや、途中で教科書を少しでも眺めることがあれば、授業後、本人にだけ、その行動を認め、「がんばる姿勢があった。嬉しいな」というようにほめます。

立てば歩めの親心で、他の子と比較してそこに近づくように励ましたくなりますが、それは慎みます。あくまでも、最近までの姿と比べて、改善点を指摘し認めるようにします。また、それが仮に続かないとしても、それが問題行動ではない限りはマイナスの行動と指摘するのは控えます。それに代わって、「やる気のなさ」「元気のなさ」を心配していると伝えていくようにします。

◆授業に参加しない生徒に対しては

学習の遅れがある生徒に関しては

第一段階:どこからわからなくなったのかを調べる。

第二段階:わからなくなったところをもう一度教え、できる喜びを「認め、褒め、そのがんばりを励まし続けて」獲得させます。

第三段階:忘れてはいけないのは、目標です。みんなと同じところまでできるようにする。という目的では漠然としていて途中で投げ出してしまいます。あなたはここまでできればよいという明確な目標を立てましょう。

以上のように段階にわけて指導をしていくことが大切です。

2014年1月26日 |

社会貢献活動での保護司の役割

保護司をしています。担当の少年がとてもおとなしく、人付き合いができない子で、アルバイトもおぼつきません。社会貢献活動に参加するようにさせたいと思っています。保護司としては、どのようなことに注意をすればよいでしょうか?

◆社会貢献活動とは

ご案内のことと存じますが、改正更生保護法が、2015年から施行されます。その中で、保護観察の対象者ごとに義務付ける「特別遵守事項」の規定に、社会貢献活動を加えました。これは、一定期間にわたり、地域社会に役立つ活動を複数回行うことで社会性を高め、再犯防止につなげることが狙いです。欧米のように社会奉仕活動を刑罰の一つとして位置付けるわけではありません。

成人の保護観察よりも、少年の方が社会貢献活動が効果があると考えられ、今回お尋ねの非社会的な少年、自己肯定感の低い少年には特に向いていると思われます。2015年からは、裁判所の方で、保護観察処分にあたって、特別に守りなさいという内容に、「社会貢献活動を行うこと」という項目が加えられますので、今後、増えていくことになるだろうと思われます。
詳しくは、法務省のHPをご覧ください。
→法務省保護局「立ち直りを助ける社会のチカラ」

◆少年に適した社会貢献活動の選択

すでに、本格的な施行に備えて、多くの社会貢献活動の機会が準備され、拡大されつつあります。今は「特別遵守事項」ではないと思いますが、担当保護観察官との話し合いの上で、地域で可能な活動の中から、少年の意向を確かめながら、活動を選んでいく必要があると思います。

人と交わることが苦手な少年といっても様々なレベルがあるだろうと思います。社会貢献活動には、清掃作業のように、他者と交わる時間が少ないものから、福祉施設でのボランティア補助のように、コミュニケーション能力が求められるものなど、さまざまなものがあると思います。どの活動が、そのお子さんの力を育みやすいのかという観点と、その課題の克服に至らず、挫折をさせないような程よいレベルという観点と、少年の興味、関心に合致した活動という観点から、関係者で話し合いながら決定していただければと思います。

◆社会貢献活動への動機づけ

この点が保護司さんに一番期待することです。活動は一回だけではありませんので、お時間の許す範囲で少年と一緒に活動に参加していただければと思います。また、保護観察官も活動期間のどこかで参加されるはずですので、その点での連携をよろしくお願いいたします。

活動内容が定まりましたら、活動に参加をする前に、以下のことについて、じっくりお話し合いをなさっていただければと思います。

その段階で、「自分の課題がよくなるとは,具体的に何がよくなることだと思いますか?」ということを尋ねます。少年自身の大きな目標を確認してもらうと同時に,処遇における課題と活動の目標の関連を意識化させることができればと思います。それを、少年と一緒に文章にして、記録しておきます。

次に,「自分の課題がよくなるとは,具体的には,どのようなときにどのように振る舞えるようになることでしょうか?2,3個考えてみましょう。」と問いかけてみます。
そこで、大きな目標の具体的なイメージを掴みます。

その上で,「今回の活動の中で,どのような場面で自分の課題の改善が見られると良いと思いますか?」と問い、その社会貢献活動に参加するに当たっての大きな目標を設定してもらうのです。

ぼんやりと「福祉施設に行きますよ」,「福祉施設というのはこういうものですよ」という説明があったときに,自分の改善すべき課題と活動内容との関係を明らかにしていくのです。

また、なぜ,この活動が自分のプログラムとして与えられたのかについて、課題の改善との関係の中で,大きな目標を自分で立てておくようにし、それを活動の前に文字として記録しておくのです。

◆活動の振り返りを丁寧に行う

それぞれに活動に臨んでいって,毎回の感想などは、その中で感想文や記録を求められるだろうと思います。
それを読み返した上で、活動に入る前に最初に記録にとどめていたことを一緒に見返します。

最後に全体を総括して,「今回の活動は,事前に立てた大きな目標の何%がうまくいったと思いますか?うまくいった部分は,何でしょうか?」と問かけます。
5回分なら5回分を振り返ってもう一回、総括自己評価を尋ねるようにします。

さらに,「活動の成果を踏まえて,これから取り組まなければならないことは,どのようなことですか?」と尋ねます。これは点数のマイナスの部分についての問いかけです。

さらに,「その新たな取り組みに当たり,困難や問題となりそうなことは,どのようなことでしょうか?」と聞きます。

全体の活動が終わる前と後に振り返り、シートの全体を総括できるようなもの(ポートフォリオ)になっていけば,その後の処遇にも生かせるのではないかと思います。

そうすることで,始める前の時点と終わった時点の違いというものが,少年自身にも意識されます。そして、送り出した事件担当保護司さんにも、同じように少年についての理解が深まり、より共有できる目的が意識されるのではないかと思います。

いかがでしょうか?

行の原因

非行の原因として考えられるのは成功体験である。
暴れる 反社会的な行動をすることにより、自分が大切だと思っている人が
やさしく接してくれたという体験

自分が大切だと思う人 それは幼少時代から形成されていく。
それが親・先生という大人とは限らない。
時にそれが同世代の場合もある。

同世代の場合
ケースとしては複雑だが、小さな集団に認められたという場合もこのケースになる。
特に集団形成において自分の立ち位置が不安定な児童生徒の場合、「やった行為」がまわりに「認められた」と認識されると
それが成功体験として残る。
この場合、おこなった行為自体が「合法的」「社会的」に認められたものであるかどうかは問題ではない。
行為自体が「まわりにみとめられた」ということ自体が成功体験なのである。

親・先生の場合
一番危険なのが「このぐらいはいいだろう」という曖昧線引きである。
現代において、特に先生が陥りやすいのは「このぐらいはいいだろう」「保護者にクレームをつけられるのであれば…」という判断基準である。
たとえば、クラスで立ち歩いた生徒がいる。その生徒に対し「この生徒はそのような特性があるのだから」と周りの理解を超えて
その行為を認めてしまった場合。
保護者もそれを認めてほしいという考えがあれば、大人の社会ではそれが「その子のために」ということになる。
しかし
その行為自体 本来は社会の中で認められるものではないが、その場でその行為を認められた生徒は
その後もその行為を続けることになる。

つまり、大人または周りの人間がその行為を認めた以上 それは、本人の中で「みんなに許された行為」として残る。
さらに、それが本人にとって快適な行為であればそれを修正することはとても難しい。

ではどうすべきなのか?

そのような児童生徒と向き合うためには、まず「明確な線引き」をしなければならない。
明確な線引きとは「だめなものはだめ」を明確にすることである。

どの行為 言動がいけないのかをまず大人が正確に把握し、その後想定されることをすべて想定すること。
さらに、それを先生・保護者が共有するとともに、周りの児童生徒にも「この行為は悪である」ということを
自覚させることから始まる。

その結果
非行行為をする生徒は、次第に成功体験を失い、一時混乱はするものの、修正していくのである。

非行の原因とは 児童生徒の成功体験の上に成り立っていることを指導者はまず知る必要がある。

2014年8月11日 |