熊本大地震特別書き下ろし|自己治癒遊び<地震ごっこについて3>

自己治癒遊び<地震ごっこについて3>

地震ごっこなどの自己治癒遊びで、教師や支援者が迷うのは、これらの遊びが集団で行われるときです。

実は、「東日本大震災特設:先生のための電子メール相談」で回答に窮した相談がありました。それは次のような相談でした。

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2011年の秋のことでした。津波被災地域の幼稚園の先生からの相談でした。
震災後、津波被害地域の地盤が沈みこみ、波打ち際を幼稚園バスの送迎が行われている状態でした。満潮時には海水をかきわけるような状態でした。そのため、津波のことを思い出しやすく、幼稚園バスの中で、子どもたちが津波ごっこを始めます。ノリノリで遊んでいる子が半分以上いるのですが、それだけなら問題はありません。

でも、問題は、その津波ごっこの声を恐がる子どもが少数ですがいたのです。バスに添乗する先生は一人だと言うのです。
「どうしたら良いのでしょうか?」
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津波ごっこを恐がる子どもに寄り添うように、としか回答は書けませんでした。この場合、心理的なダメージを被っている者がさらにダメージを与えないように、先生が寄り添うことしかできないと思ったのです。「津波ごっこ」をしている子どもたちもそのようにして、自分の心を守っているのですから、「恐がっている子がいるのでやめなさい」などとは、とても言えないことは、幼稚園の先生も十分に弁えていました。
だからこその相談であったのです。 複数の先生がいたのなら、対処の仕様もあるでしょうし、狭い幼稚園バスでなく、園舎であれば、恐がる子どもを別の部屋に移して関わることもできたのだろうと思いますが・・・。

このことで、分かることがあります。

地震ごっこなどの自己治癒遊びが行われているときに、そのことを不快に感じている子どもも少なからずいるかもしれないということなのです。

多くの子どもが参加し、楽しそうにしていて、安全であると、全体として、それでよいと考えてしまいがちです。
その中に、それほど乗らず、不快な表情でいる子どもがいないだろうか、
他の子どもに合わせているだけの子どもがいないだろうか
ということに注意を払ってほしいのです。
そのようなお子さんがいたら、優しく「別の部屋で、別のことをしようか?」と優しく声をかけることが重要なのだと思います。

個人の回復の道筋は一様ではありません。人それぞれ違うのです。脅威に感じる程度も人それぞれです。
それぞれに合わせて、個別に関わろうとする温かい眼差しと関わりが求められています。

379530_281158371916957_1251207832_n津波被災地域の幼稚園:流された園の子どもたちを受け入れて、この時期300名の園児がいました。

熊本大地震特別書き下ろし|自己治癒遊び<地震ごっこについて3>」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 熊本で実施された「災害時のこころのケア研修会」Q&A:6 | 元気プログラム作成委員会

  2. ピンバック: 熊本で実施された「災害時のこころのケア研修会」Q&A:17 | 元気プログラム作成委員会

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